沖縄ウェディング プロデュース 「Love Baile(ラブバイレ)」

過去の公演から 1 英国ロイヤルバレエ団(下)

2010.09.23

英国ロイヤルバレエ団「うたかたの恋」を6月24日(木)見た後に、6月26日(土)に東京文化会館で見たのがロイヤルの十八番である「ロミオとジュリエット」。

しかもアリーナ・コジョカルとヨハン・コボーというロイヤルきってのパートナーシップで私の好きなコンビということで、楽しみにしていました。

しかし、しかし…。
なんと、ヨハン・コボー、身内の不幸により出演を待たずしてデンマークに帰国…。

以前にはパリ・オペラ座の元エトワールにして伝説的ダンサーであるマニュエル・ルグリも同じような理由にて出演者が変更になったことがあると言います。

お客様のざわめきと混乱、主催者にとっては何よりも恐ろしい出演者の変更によるクレームの対応。
少し波乱の幕開けとなりました。

英国ロイヤルバレエ団見る人によるとは思いますが、私にとっては「ロミオとジュリエット」はロミオ主体の演目に感じました。

全編を通してロミオの出演が多いのに対し、ジュリエットの出演は多くはなく、しかも後半は仮死状態になっているし…

アリーナ・コジョカルの出演シーンが少なくて残念という感じでした。

あまりにも長年見たかった演目であったため期待しすぎたというのも正直あるかもしれません。

また、先日の「うたかたの恋」がセンセーショナルであり暴力的ともいえる人間性を超絶技巧なパ・ド・ドゥによって表現したのに対し、どうしても子供っぽいというか比較したときにドラマ性が薄く感じざるを得なかったのかもしれません。

一つ一つはそん色ないのに、人は比較してしまいます。

比較と考えて思い出したこと。人気のあるリゾートウェディングでは、なんと一つのチャペルで挙式をした後、広い披露宴会場を貸し切りに出来ればいいのですが、貸し切りに出来なかった場合、パーテーションで仕切って、時間差で同じ会場に花嫁が2人いるケースがままあるとのこと…。

そんなとき、さっきの演目の比較と同じように、お一人お一人は美しいのに、比較してしまうと、どちらかを選んでしまうのも人間の心理。

それは、一生に一度のお客様にとっては、まさに地獄。ウェディングの在り方を根本から考えてほしい実態です。

舞台の話に戻りますと、「ロミオとジュリエット」は、それ自体は美しく、見て損のない最高の舞台です。でも人間的なほとばしる程の熱情は、舞台上で終わる感覚ではなく、ある時稀に観客席を巻き込んで、エネルギーの渦を作る時があります。これは、いつでも起こることではなく、時にはその真逆に、舞台の前に紗幕でもかかっているのかと思うほどに、なにかがシャットアウトして何も伝わらない舞台もあります。

同じ空間が作る圧倒的な体感という意味では、今回の場合は「うたかたの恋」には、敵いませんでした。もっと、若いときであればもしかしたら違う感想だったかもしれません。舞台でも、出会うタイミングがあります。

こんなことを考えていると、無性に舞台が見たくなります。

お電話はこちら:090-1941-8853

過去の公演から 1 英国ロイヤルバレエ団(上)

2010.09.22

英国ロイヤルバレエ団最近はなかなか見に行く機会が少ないバレエの公演ですが、その中でも、2010年6月に鑑賞した英国ロイヤルバレエ団「うたかたの恋」から。

2010年6月19日(土)~29日(火)まで上野の東京文化会館で行われた英国ロイヤルバレエ団「リーズの結婚」「うたかたの恋」「ロミオとジュリエット」。

このときは、23年ぶりの日本での公演となる「うたかたの恋」と、シェイクスピアの国イギリスの「ロミオとジュリエット」の2演目を見に行きました。

その中でも、今まで見た公演のベスト3に入る「うたかたの恋」から。

これは、まさしく無声映画の世界。

セリフがない世界観で、ここまでの真に迫る人間の欲であったり、情愛。

英国ロイヤルバレエ団ドラマティック・バレエの真髄を見た気がします。でも、生々しい性描写であったり、美しいだけでないグロテスクな心の闇であったりは、小さな子に見せるには少し…。都市部での、バレエ好きな大人のための舞台で、地方では出来ない演目だなあと思いました。

美しいクラシックバレエを見て、バレエの世界観を知った人にとっては楽しめますが、初めて見る演目ではない気がします。

「うたかたの恋」は、原題「マイヤーリング」と呼ばれ、名門ハプスブルク家の皇太子ルドルフの心中事件を題材にしています。無名の男爵令嬢であったマリーとともにマイヤーリング(地名)で突然の死を遂げたこの事件は、ドラマティックバレエの巨匠マクミランのバレエはもちろんのこと、映画「晩鐘」や小説「マイヤーリング」でも有名。その死の真相は、いまだに謎とされ、歴史のミステリーとしても、様々な説が飛び交っています。

内容のみならず、全編での10もの激しいパ・ド・ドゥ、高度な技術と、演技力が要求される難しい演目です。日本人にはなじみのない演目のため、上演回数も限られ、次にいつ見れるが分からない貴重な公演となりました。

お電話はこちら:090-1941-8853

美言葉 3 1Q84

2010.09.21

1Q84世界的ベストセラー作家である村上春樹「1Q84」

BOOK1~3を読みました。村上春樹の作品は、「ノルウェイの森」「ねじまき鳥のクロニクル」「スプートニクの恋人」しか読んだことがなく、しかも、「1Q84」の前に話題になった「海辺のカフカ」は途中で、時間の流れについていけずに読み終えることが出来なかったので、果たして最後までいけるか心配でしたが、連日明け方まで起きて一気に読み終えることが出来ました。

村上作品は、本を読み終えた後に、自分が今どこにいるのか分からなくなる、寝ぼけたような変な感覚を与える気がします。今日は天気が良くて月が出ていたのですが、思わず2個目の月が出ていないか確認してしまい、出てなくて当たり前なのに、ほっとしました。

その中でも気に入った言葉があります。

1Q84「希望のあるところには必ず試練があるものだから」
と青豆は言う。…

「希望のあるところには必ず試練がある。あんたの言うとおりだよ。そいつは確かだ。ただし希望は数が少なく、おおかた抽象的だが、試練はいやというほどあって、おおかた具象的だ。」…

もう一つは、小松の言葉で。

「大事なものを手に入れるには、それなりの代価を人は支払わなくちゃならない。それが世界のルールだよ」

言葉が前向きなのか、ひりひりとした緊張感とともにあるぎりぎりの世界での会話は、世の無常とともに、でも薄い雲の隙間からの希望も垣間見ることが出来て、人にもよるかもしれませんが、私には後味の良い終わり方でした。

もちろん、多くの疑問が残る中で結局分からずじまいのことも多く、続きがあるのかなと思わせる終わり方でしたが…。

想像力をフル活用する楽しい時間を過ごせた、良書でした。「海辺のカフカ」にもう一度挑戦しようかなと思います。

お電話はこちら:090-1941-8853