BOOK1~3を読みました。村上春樹の作品は、「ノルウェイの森」「ねじまき鳥のクロニクル」「スプートニクの恋人」しか読んだことがなく、しかも、「1Q84」の前に話題になった「海辺のカフカ」は途中で、時間の流れについていけずに読み終えることが出来なかったので、果たして最後までいけるか心配でしたが、連日明け方まで起きて一気に読み終えることが出来ました。
村上作品は、本を読み終えた後に、自分が今どこにいるのか分からなくなる、寝ぼけたような変な感覚を与える気がします。今日は天気が良くて月が出ていたのですが、思わず2個目の月が出ていないか確認してしまい、出てなくて当たり前なのに、ほっとしました。
その中でも気に入った言葉があります。
「希望のあるところには必ず試練があるものだから」
と青豆は言う。…
「希望のあるところには必ず試練がある。あんたの言うとおりだよ。そいつは確かだ。ただし希望は数が少なく、おおかた抽象的だが、試練はいやというほどあって、おおかた具象的だ。」…
もう一つは、小松の言葉で。
「大事なものを手に入れるには、それなりの代価を人は支払わなくちゃならない。それが世界のルールだよ」
言葉が前向きなのか、ひりひりとした緊張感とともにあるぎりぎりの世界での会話は、世の無常とともに、でも薄い雲の隙間からの希望も垣間見ることが出来て、人にもよるかもしれませんが、私には後味の良い終わり方でした。
もちろん、多くの疑問が残る中で結局分からずじまいのことも多く、続きがあるのかなと思わせる終わり方でしたが…。
想像力をフル活用する楽しい時間を過ごせた、良書でした。「海辺のカフカ」にもう一度挑戦しようかなと思います。