沖縄ウェディング プロデュース 「Love Baile(ラブバイレ)」

過去の公演から 3 パリ・オペラ座バレエ「シンデレラ」

2010.11.08

パリ・オペラ座ガルニエ宮におけるグラン・デフィレ

 パリ・オペラ座バレエ団は世界一思い出のあるバレエ団です。それは、2007年8月に行われた沖縄タイムス社主催で、オペラ座の伝説のエトワールであるマニュエル・ルグリの「ルグリと輝ける仲間たち」というバレエ公演を私が企画制作したからです。沖縄では破格のチケット料金17000円という、高額の公演のチケットを販売するのがとても苦労しましたが、おそらく今後このような芸術性、技術、美しさの面で秀でたメンバーをよべることもないだろうというくらいの最高の舞台となり、スタンディング・オベーションの嵐だった本当に思い出深いバレエ団です。

 そのバレエ団が、2010年3月に3年ぶりの引っ越し公演を行ったのが、この「シンデレラ」と「ジぜル」という演目。私は、初となる「シンデレラ」を2010年3月15日東京文化会館に見に行きました。

世界で一番美しいマチュー・ガニオ

 この日の主役は、私が大好きな男性ダンサーの「マチュー・ガニオ」。女性のバレエダンサーで華があり、舞台を震わすスターはたくさんいますが、男性では多くはありません。その中で、マチュー・ガニオの演技、表現力、美しさ、気品は女性を超えるものがあり、彼が舞台に登場するだけで、舞台の空気を一瞬のうちに変えてしまいます。

 同舞台は、プロコフィエフの音楽で、ルドルフ・ヌレエフの振付です。童話の「シンデレラ」とは違い、1930年代世界恐慌後のハリウッドを舞台としています。王子は映画スター、お妃になりたい女性たちは映画で役を取りたい女優の卵たちと設定を変えています。そして、シンデレラは魔法使いならぬプロデューサーに見事に美しく変身させられて、映画の撮影スタジオに入り、そこで映画スターと撮影をし、恋に落ちます。でも12時の鐘が…。その時に落していった靴を使ってシンデレラを見つけるところは童話のままの演出となっています。

 舞台装置のゴージャスさ、パリ・オペラ座のコール・ドでさえ普通のバレエ団なら主役に見まごうダンサー一人ひとりのレベルの高さ、そして主役の映画スターであるマチュー・ガニオの華、舞台が震えるほどの感動。とにかくどれをとっても超一流の舞台でした。

映画スターとシンデレラのパ・ド・ドゥ

 生で同じ空間だからこそ味わえる贅沢な感動があります。同じバレエ団が同じ演目を踊っても、今日と明日の舞台はやはり違います。同じ人が同じようにやっているつもりでも、その日の空気感、醸し出す雰囲気で今日の感動は、今日のものでしかありません。DVDなどには残せない種類の感動です。舞台は、主役の踊りとともに、その背後にいるダンサー、マイムをやる演技、オーケストラによる生の音楽、照明や舞台装置など、様々なことが相乗効果で折り重なって生まれる総合芸術です。なので、テレビなどでのバレエの放送は、どうしても主役の二人をメインに映すので(しかも二人の顔のアップなどで)、主役の手の動き、足の動きさえも見えず、演目によっては(マノンやうたかたの恋のような官能シーンがあるときは特に)映像では生々しくあまりにもリアルすぎる切り取られ方をすることがあります。そういうときには、特に舞台はやはり生モノで、冷凍保存すると本質が損なわれるのだなと感じることがあります。

 今回のシンデレラは、衣裳も日本人デザイナー森英恵による、スタイリッシュで豪華なもので、何をとっても超一流な最高の舞台でした。他のバレエ団では、童話と同じ内容で演出をしているところもあります。2011年1月に来日するベルリン国立バレエ団は童話と同じ内容での「シンデレラ」を上演するので、それも見に行けたらいいなと思います。

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