前回のブログの雲が龍のように見える、についての補足を。首里城の上に龍のような雲が見えるというのは、なにも私が感想として思っただけではなく、実際そのように言われているようです。文献などにそういった言葉が出てくるのかはまだ調べきれていませんが、民間信仰のような形で、多くの人の口にのぼる言葉のようです。
首里城の守護神は、「龍」だと言われ、国王は「龍」、王妃は「鳳凰」に例えられます。そういったことを知らないものが見ても、龍に思わせる首里城の龍雲。
池上永一「テンペスト」の冒頭にも。
「珊瑚礁の王国に龍の眠る巣がある。龍が地上で寝ているときは繁栄をもたらすが、目覚めて天を駆ければ地上は荒れ狂うという。龍という生き物は寝ているとき以外は常に交尾ばかりしているそうだ。龍が地上で交われば木々をなぎ倒し、海は高波で荒れ、空は咆哮で轟き、大地は昼夜揺れ続けるという。荒れ果てた国土にはついに草木ひとつ生えない荒野が広がるのだそうだ。民は龍を敬い、崇め、そして恐れるあまり、龍を統べる者を王とした。以来、龍の巣は王の住居となり、首里城と呼ばれた。~」と出てきます。もちろん小説なのでフィクションですし、池上ワールドにおける龍の存在ではありますが、首里城と龍とが密接な関係にあるということが今話題の人気小説からもうかがえます。