ずっと探していた藪薩(ヤブサツ)御獄にやっとたどり着くことが出来ました。台風の影響もあって、道という道もなく、草木をかき分けて、中へ中へと進んでいくと、木立の中に石の香炉が2つ、木の下に置かれています。木の間を通して久高島が見えるそうなのですが、この日は木々がなぎ倒されていて香炉の位置からは、久高島は見えませんでした。香炉は海を背後にして置いてあります。なので、久高島への遥拝所(ウ通シ)ではないかとも言われています。
この場所は、アマミクが国土作りをした琉球九御獄の一つとされ、国王一行が、東御回り(あがりうまーい)するときの拝所だったそうです。琉球九御獄とは、琉球神話においてアマミクがつくったとされる9つの御獄(安須森(アスムイ)、今帰仁城内カナヒヤブ、知念グスク、玉城グスクの雨ツヅ、斎場御獄(せいふぁーうたき)、藪薩御獄、久高クボウ森、首里城内の真玉御獄と首里オイベ)をさすとのこと。
写真の中央の海の中に見えるのは、ヤハラヅカサ。ヤハラヅカサの後方の山の上に藪薩御獄はあります。特に何があるわけでもなく、小さな香炉があって、あとは森と海があるというとてもシンプルな作りです。無我夢中で入って行って、この展望台のような開けた場所で、感動してふと思ったことは、「ハブは大丈夫だろうか…」ということ。鬱蒼とした台風後の足場の悪い場所でしたが、1ヶ月後くらいに森に枯れ葉から若葉が芽生えるようになったらさらに神聖さが増すような気がします。