沖縄ウェディング プロデュース 「Love Baile(ラブバイレ)」

美言葉 4 海辺のカフカ①

2010.10.08

 

海辺のカフカ  長年読むタイミングにならなかった「海辺のカフカ」

 を最近読み終えました。村上春樹の作品の特徴は、読み終わった後に、現実と小説の

 境目が分からなくなって、ぼーっとしてしまうこと。

 海辺のカフカの話は、1Q84のパラレル世界を描いているような気がして、

 世界は、私たちが過ごしている何気ない日常の世界と、そこから少しだけずれてしまった、

 海辺のカフカの世界、そして、この2つの世界とねじれの関係になっている1Q84の世界という風に、

 すべては少しずつずれているけどでも動いている世界という風に感じました。

 海辺のカフカの中からお気に入りの言葉を。

 「…相互メタファー。君の外にあるものは、君の内にあるものの投影であり、君の内にあるものは、

 君の外にあるものの投影だ。…」

 この言葉の後には、もっと哲学的な深く暗い話が続くのですが、私はこの言葉をとても前向きに

 受け取りました。つまりは、自分が居心地がいい、楽しいと思う生活だと実感しているのは、

 自分の精神が作り出したものだし、自分が幸せ、楽しい、満足と思うのは、現実世界にも必ず反映する。

 話の内容は、こんな簡単な前向きな話ではないし、

 この内容からはそういう風には受け取るべきではないかもしれないけど、

 村上春樹の紡ぎだす言葉は、趣があり、表現に深みがあります。

 他の人も似たようなことを言っていますが、村上春樹の小説の世界観から受け取る言葉は

 それよりもさらに深い世界を感じさせてくれます。

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美言葉 3 1Q84

2010.09.21

1Q84世界的ベストセラー作家である村上春樹「1Q84」

BOOK1~3を読みました。村上春樹の作品は、「ノルウェイの森」「ねじまき鳥のクロニクル」「スプートニクの恋人」しか読んだことがなく、しかも、「1Q84」の前に話題になった「海辺のカフカ」は途中で、時間の流れについていけずに読み終えることが出来なかったので、果たして最後までいけるか心配でしたが、連日明け方まで起きて一気に読み終えることが出来ました。

村上作品は、本を読み終えた後に、自分が今どこにいるのか分からなくなる、寝ぼけたような変な感覚を与える気がします。今日は天気が良くて月が出ていたのですが、思わず2個目の月が出ていないか確認してしまい、出てなくて当たり前なのに、ほっとしました。

その中でも気に入った言葉があります。

1Q84「希望のあるところには必ず試練があるものだから」
と青豆は言う。…

「希望のあるところには必ず試練がある。あんたの言うとおりだよ。そいつは確かだ。ただし希望は数が少なく、おおかた抽象的だが、試練はいやというほどあって、おおかた具象的だ。」…

もう一つは、小松の言葉で。

「大事なものを手に入れるには、それなりの代価を人は支払わなくちゃならない。それが世界のルールだよ」

言葉が前向きなのか、ひりひりとした緊張感とともにあるぎりぎりの世界での会話は、世の無常とともに、でも薄い雲の隙間からの希望も垣間見ることが出来て、人にもよるかもしれませんが、私には後味の良い終わり方でした。

もちろん、多くの疑問が残る中で結局分からずじまいのことも多く、続きがあるのかなと思わせる終わり方でしたが…。

想像力をフル活用する楽しい時間を過ごせた、良書でした。「海辺のカフカ」にもう一度挑戦しようかなと思います。

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美言葉 2 目に見えるものの奥に

2010.09.18

首里城と空の龍のような雲今日は、ケイト・モスという作家の書いた「ラビリンス」という作品の中から。

ケイト・モスと聞くと、スーパーモデルの??と思ってしまいますが、同姓同名の作家です。最初に本を手にしたとき、ケイト・モスの自伝かと思ってしまいましたが、全然違う、歴史ミステリー小説でした。

時代は、中世ヨーロッパの南フランスを舞台に、十字軍とキリスト教の異端と言われたカタリ派の攻防を描く、史実とフィクションを織りまぜた、話です。

ダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」でもおなじみとなった聖杯伝説を話の軸としています。

その中で主人公が言う言葉。
「目に見えるものの奥に隠れているものを見るのよ」

奥深い言葉だと思いました。見えているものだけが真実とは限らない、見えないものが存在しないとは限らない、表に出てくるものの奥に本質があり、その本物の本質によって、表ににじみ出てくる品格が出てくる、などいかようにも受け取れる良い言葉だと思いました。

内容も、もちろん小説なので史実に100%基づいているわけではありませんが、時代背景やつまらなかった世界史に出てきた言葉を人間の生活として受け入れることが出来るので、面白いです。こういう背景を少し知ると、南フランスに旅したいなと思います。

写真は、内容に関係はないのですが、首里城と空の龍のような雲を。

首里城は龍が守護神と言われ、建物のいたるところに龍をモチーフとした建築物があります。

写真の首里城の上にかかる龍のような雲も、王国時代の人が見れば、まるで龍に護られているように感じたのかもしれない。もちろん、龍に見えないと言われたら、それもそうなのですが…。

目に見えるもの、見えないもの。同じものを見ても、見えなくても、どう感じるかは人それぞれ。

同じじゃないからこそ、面白いのだと思います。

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