沖縄ウェディング プロデュース 「Love Baile(ラブバイレ)」

ウィーン国立バレエ団「こうもり」

2012.06.07

ローラン・プティの洒脱な世界

4月29日に東京文化会館で行われた、ローラン・プティ振付、そしてマニュエル・ルグリが芸術監督に就任して初めてのウィーン国立バレエ団の来日公演「こうもり」を見てきました。

ローラン・プティの振付というと、なんか面白くない(とても失礼ですが)という印象をずっと持っていたのですが、それが今まで見てきたものが悪かったということが良く分かる、やっぱりプティの世界は、西洋人の小さな顔に長い手足、そしてあの気障なことをやってもそこがかっこいいという美形でないと出来ないということを再発見する舞台でした。

ウィーン国立バレエ団は、均整のとれた長身のダンサーが本当に多く、プティー・チュチュとも言えるかなり短めのチュチュも日本人が着るとバランスが悪くなる長さですが、西洋人にはそのエスプリや洒脱感がより一層引き立ってかっこいい、大人の為のバレエという雰囲気でした。

夜な夜なこうもりのように夜遊びに出かける旦那をつなぎ止める秘策とは…?

内容は、夜な夜な夜遊びに出かける旦那をつなぎとめたい、美しいけれど子供や家庭で少し疲れている主人公。その主人公に旦那の遊び友達が与えた秘策は、美しくなり、旦那も惚れ直すような女性になるということ。その作戦は見事成功し、旦那は主人公に、自分の妻とは知らずにもう一度恋をして、彼女に夢中になります。そして、主人公は、旦那の背中に映えたこうもりの羽を切ることで、二人の平穏な生活が戻ってくる。という、オペレッタを題材に、こちらも「じゃじゃ馬馴らし」同様、もともとセリフや歌で表現していたものを、踊りで表現するという形をとっています。

旦那さんの遊び友達を演じたのが、円熟期のマニュエル・ルグリ。ヨーロッパでは芸術監督に専念するため、日本でしか踊らなかったという貴重な公演となりました。今までは、貴公子やどこか憂いのある美青年の役どころ、クラシックのダンスール・ノーブルがはまり役だったルグリが、狂言回りのような役を見事、さすがとしか言いようがないほどに演じ切っていました。でもそこはルグリ!!滑稽で、猿回しのようなおちゃらけた中にも、時折主人公に見せる、流し眼や、熱っぽいまなざしが、舞台に深みを持たせ、若手のダンサーを引き締める、素晴らしいポジションでの演出となりました。

右がマニュエル・ルグリ☆

この話も、大人が見て面白いバレエといった感じで、男性が気もそぞろな時は、それを攻め続けたり、攻撃するよりも、一歩引いて自分を磨くことで、自分にゆとりと余裕を持たせ、それによって逆に男性に追いかけたいと思わせる、手放したくないと思わせる、そういう男女の本当の駆け引きこそが、成熟していく関係だ。というフランスらしい恋愛哲学を底辺に感じました。

舞台装置や、プロローグのタキシード姿の男性が円陣をくみ、その中央の女性のドレスを持ちながら回る演出など、随所にスタイリッシュな演出がちりばめられた「こうもり」。素晴らしい舞台でした。

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