以前新作組踊「十六夜朝顔」という舞台を一緒に作った、嘉数道彦さん脚本・演出の舞台「真夏の夜の夢」を、写真展の後、見に行ってきました。昨日の真夜中近くに、出演者の一人の金城真次さんからお電話をいただき「絶対見に来てくださいね」と念を押されたので、かなり良い作品に仕上がっているのだろうなと思ってはいたのですが、期待以上で、最近の舞台では一番楽しめるものになりました。
組踊でもない、沖縄芝居でもない、新劇や現代劇すべてをチャンプルーにしたと言い切る嘉数さんの演出が私は大好きでした。今の若い人ではなかなか話せないであろうウチナーグチで、沖縄の土着の色をきちんと出せる、阿嘉修さんをはじめとする出演者の沖縄の色。ステレオタイプの沖縄ではなく、沖縄にしか出せない沖縄の空気感。ウチナーグチが分からない若い人に見てほしいという嘉数さんの思いでしたが、かなりのウチナーグチで方言が分からない人には言葉が分からないこともあったかもしれませんが、私にとってはとにかく爆笑の連続の舞台でした。このぐらいの方言を話すのは難しくても、同世代が聞くことだけでもできれば、これからの沖縄の文化は明るいと思います。良い舞台があっても、見てくれる観客がいなくては、舞台は成立しないもの。今回の公演は、字幕もなかったので、まったく方言の分からない人には、英語のミュージカルや演劇を見てみんなが笑っているけど、自分だけ???みたいなことになったと思います。心を伝える言葉の面白さ、これは、フィーリングなので、どんなに字幕になっても伝わらない生のキャッチボール。客席の反応でさらに面白いものを返す、役者の演技力が存分に発揮された舞台でした。
1月9日(日)14時開場、15時開演、沖縄市民小劇場あしびなーにて明日も行われますので、興味持たれた方はぜひ足を運んでみてください。その時は、14時半には会場に着くようにするとお薦め!!開演前に出演者と嘉数さんによる祝儀舞踊「かぎやで風」および、口上を聞くことができます。それも、舞台のプロローグとしてとてもステキな演出でした。ぜひそこから見ていただけたらと思います。
沖縄を感じる写真展、舞台の一日になりました。