本来は、昨年の4月に東京に見に行く予定だったシルク・ド・ソレイユの「クーザ」。ですが、震災直後ということで観に行くことが出来なくなり、今回、4月1日まで福岡で開催されている舞台を強行スケジュールの中、観に行くことが出来ました。
シルク・ド・ソレイユは、常に多くの観客の期待にさらされている集団です。出来て当たり前、どこまで期待以上のものを見せてくれるか、前回見た演目より面白いか、など圧倒的な人気を誇るゆえんのプレッシャーがアーティストはじめ関係者の中に常にあると思います。そんな中で、期待以上の総合芸術を創り上げる手腕にいつも様々なインスピレーションをもらうことが出来ます。
今回初めて前列の方で見ることが出来たのですが、近くで見る感動と、遠くから全体を見渡せる感動、どこからどういう風に見るかまでおそらく計算しつくして舞台を構成しているのだろうなと考えると、その演出力、プロデュース力は、どのような職種の人にも参考になるヒントがたくさんある気がしました。
音楽、舞台でのアクロバティックな技はもちろん、その技を最大限に見せる間合いの取り方、ポージング、メイク、衣装、呼吸、プログラム構成、など全体を通して面白い舞台でした。
ただやはり常設劇場であった「ZED」に比べるとやはり見劣りする部分もあり、その辺では意見の分かれる公演でもあったかもしれません。