今日も日差しの強い暑い一日です。でも、夕方から雨になるとの予報。なぜか7月7日の七夕の日は天気が悪い日が多い気がします。おり姫と彦星が二人っきりで誰にもじゃまされずに会いたいからでしょうか。
沖縄の琉歌には、この七夕を題材にした歌もあります。琉歌全集で探しているのですが、3000首も載っているので、前に聴いた歌を探すことが出来ないので、意味だけを☆
「七夕の日に織姫と彦星が年に一度逢瀬をかわすように、私とあなたも年に一度でいいから会いたいものだわ」のような歌詞だったと思います。その歌詞の注釈の続きが面白くて、「本当に、現実の恋人たちが七夕の年に一度だけ織姫と彦星のように会うだけで満足できるだろうか。はなはだ疑問である。」となんだかクスッと笑いたくなるような辛口のコメントがあります。
この琉歌全集は、注釈が面白くて、それをよんでいるだけでも楽しくなります。その一つを紹介☆
「舟に棹さして月に歌うたて遊で面白さ那覇の港」(フニニ サヲゥサシティ ツィチニ ウタウタティ アスィディ ウムシルサ ナファヌ ミナトゥ)
この歌の注釈がこちら。→舟に棹をさし、月を眺めながら歌をうたって遊んで面白いのは那覇の港である。那覇の港といっても実は港内の奥武山公園周辺の漫湖で舟遊びをするときのおもしろさをうたったものである。特に中秋の名月のころの舟遊びは天下一品、他にその比を見ない楽しみであろうと思われる。ところがその楽しかった漫湖が、戦後アメリカ軍によって片方は埋め立てられて、奥武山を一周することが出来なくなったというから舟遊びの面白さも半減されたに違いない。どういうわけでそんな埋め立てをしたのか、アメリカ人に風流心はないのか。
とこうなっています。まるでノムさんのぼやきのようなこの注釈の少し皮肉めいたユーモアが分厚い学術書にもかかわらず、かなり読みやすい琉歌の辞典です。
月に関連する琉歌には、恋の歌がとても多く、その風流な想像性が、とってもロマンティック!!現代では絶対出来ない、この恋歌の掛け合いを、昔の人々はごく当たり前の感情表現として行っていたと聞くと、なんだかうらやましくなります。