今日は、ケイト・モスという作家の書いた「ラビリンス」という作品の中から。
ケイト・モスと聞くと、スーパーモデルの??と思ってしまいますが、同姓同名の作家です。最初に本を手にしたとき、ケイト・モスの自伝かと思ってしまいましたが、全然違う、歴史ミステリー小説でした。
時代は、中世ヨーロッパの南フランスを舞台に、十字軍とキリスト教の異端と言われたカタリ派の攻防を描く、史実とフィクションを織りまぜた、話です。
ダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」でもおなじみとなった聖杯伝説を話の軸としています。
その中で主人公が言う言葉。
「目に見えるものの奥に隠れているものを見るのよ」
奥深い言葉だと思いました。見えているものだけが真実とは限らない、見えないものが存在しないとは限らない、表に出てくるものの奥に本質があり、その本物の本質によって、表ににじみ出てくる品格が出てくる、などいかようにも受け取れる良い言葉だと思いました。
内容も、もちろん小説なので史実に100%基づいているわけではありませんが、時代背景やつまらなかった世界史に出てきた言葉を人間の生活として受け入れることが出来るので、面白いです。こういう背景を少し知ると、南フランスに旅したいなと思います。
写真は、内容に関係はないのですが、首里城と空の龍のような雲を。
首里城は龍が守護神と言われ、建物のいたるところに龍をモチーフとした建築物があります。
写真の首里城の上にかかる龍のような雲も、王国時代の人が見れば、まるで龍に護られているように感じたのかもしれない。もちろん、龍に見えないと言われたら、それもそうなのですが…。
目に見えるもの、見えないもの。同じものを見ても、見えなくても、どう感じるかは人それぞれ。
同じじゃないからこそ、面白いのだと思います。