先週末は、3日連続の国立劇場おきなわ通いでした☆ 2月11日(金)に行われたのが、伝統組踊「子の会」の組踊「手水の縁」☆
私は、始めてみる演目で、しかも大好きな立ち方、地謡での演目だったので楽しみにしていました。何が良かったかって、舞台から良いものを伝えたい、発信したいという強い緊張感がビシビジ伝わってきたことです。舞台からの心地の良い緊張感が、客席にも伝わって、客席は音一つしない、張り詰めた空間が生まれていました。地謡の独唱も、これからはもう唄えなくなってもいいから、ここですべてを出し切りたいと思っているかのような、互いが今現在の最高級のものを生み出そうと思っているかのような…。ここ最近聞いたことのないような心を揺さぶる音楽でした。
「組踊は聴きにいく」というのをまざまざと感じさせられた時間でした。
そして場面は、「忍びの場」へ☆玉津役の真次くんの衣装の美しかったこと☆もちろん、二人の所作の美しさ、動きの緩慢なところにある悠久の美。現代女性にはなかなか出せない、所作の何気ない美しさにため息が出ます。山戸役の佐辺さんのりりしさと真次くんの息をのむような美しさは、見るものに、組踊って遺産になるわけだよなと思わせます。
組踊では、様式美を追求するので、大げさな動きや、当て振りはあまりありません。そんな中、親に秘密の密会で緊張と高まりを表現するこの互いのひざに手を置く仕草は、鳥肌が立つような色香、つややかさを感じました。あからさまな性描写よりも、ずっとずっと想像力をかきたてるセクシーさ。この動きは、私たち女性に今こそ必要な美しさかもしれません。
密会が親に知られることによって、処刑されてしまう玉津。その最後の場面にかけつける山戸。そして、父親の部下は、こんな二人の様子を見て、殺したことにして二人を逃がしてやります。白雪姫が、継母に殺されそうになるのを逃がす、猟師の場面のような感じ。真っ白い死に装束で舞台をはける玉津ですが、山戸はこの後、玉津のために着物を用意してくれたかな、そうじゃなかったら目立って仕方ない、とどうでもいいことを考えていたり…。でも舞台がまるで現実のようにリアリティーがあり、感情移入が出来たのがなにより楽しかったです☆
舞台終了後の集合写真☆みんな、仲の良いメンバーで、過去に一緒に舞台を作ったこともあるので、想いもひとしお☆☆みんな「子の会」としての初公演だったので、舞台前の楽屋は緊張感でピリピリしていたとか。特に「手水の縁」は始めての演目だった出演者が多かったとのことで、とにかく緊張したとのこと。でも、観客の一人として、この想いの強さがきちんと伝わってましたよ☆次の舞台を楽しみにしています☆