2010年9月20日、パレット市民劇場にて、佐藤俊介ヴァイオリンリサイタル」が行われました。
クライスラー「ウィーン小行進曲」、マスネ「タイスの瞑想曲」、バルトーク「ルーマニア民族舞曲」、J.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのバルティーダ第2番 ニ短調」、ラヴェル「ツィガーヌ」、フランク「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調」の6曲が演奏されました。
一言でいえば、奥深い音色の深い演奏でした。特に、ラヴェルの「ツィガーヌ」は、1924年にジプシーをコンセプトに作られた曲で、アール・デコの時代、ココ・シャネルや、バレエ・リュスの時代特有の新時代に入って来る現代音楽と、それ以前のクラシックの世界が見事に融合した楽曲でした。
この曲を初めて聞いたのですが、佐藤さんの高音から低音までの幅の広さと、音の広がりは空気を通して、生の演奏の醍醐味を存分に感じさせてくれました。
ヴァイオリンのことも、専門的なことも全く分かりませんが、彼のヴァイオリンに対するストイックさ、生き方を垣間見せてくれる素晴らしい演奏でした。
茂木健一郎が次のように言っています。
「天才とは努力の仕方を知っている人のことを言う。一日中そのことを考えていることを苦痛と感じず、それを楽しめる人。何もしないで出来る人はいないし、それを天才とは脳医学上は呼ばない。」
佐藤俊介さんの演奏はこの言葉を思い出しました。