妊娠前、靴好きの私が履いていたシューズのヒールの高さは、15センチ前後。低いものでも10センチ越えは当たり前。私にとっては、8~9センチは低いヒール。
だからと言って、一緒に歩く彼のの身長が高いわけではありません。私と1~2センチしか変わらない彼の身長なので、いつも私がにょきっと大きい感じ。ただ、私の体形が下半身デブで、上半身が細いので、がっちり体型の彼と並んでヒールを履いても、そこまで大女に見えなかった(見えていたかもしれないが…)という感じ。
その私が、妊娠して真っ先に考えたのが、「何を履こう…」ということ。
いくら妊娠初期は、お腹もまだ出ていないし、妊婦か分からないとは言っても、不安定な時期に何かあったら困るので、履物はやっぱりぺったんこなフラットシューズに変えたい。でも、買ったことがないので、自分の足に何が合うのかいまいちよく分からない。
何よりもう10何年も、ヒールを履くように足が形成されてしまっているので、ローヒールを履くと靴ずれが…。高いヒールより楽そうにみえますが、慣れるまでは結構違うところが痛くなるというのも新発見。そして、妊娠中を通してフラットシューズを履き続けて、実感したことは、ヒールよりもフラットシューズの方が、足全体にかかる負荷が平等なので、かかとの角質が固くなるという悲しい現実。でもこれ、妊娠で体重が増えて、それが足裏への負荷になっているんじゃないかという、旦那さまの厳しく冷静な意見に、「靴のせいだと思っていたかった…」と思ったのも正直なところ。
そんなこんなで、その後の生活は、大好きなヒールには目もくれず(だって買っても履けるのは何年も後だもの…)、ひたすらフラットシューズを追い求める日々。
最初は、とにかく低いヒールの靴を探さなければということと、冬だったこともあって、タイツに合わせられる靴を探していたのですが、そういう1足が見つかって後に軌道修正したことは、ずばり数は必要ないから、良い靴を買おうということ。
もともと必要に迫られてのフラットシューズということもあるけれど、これから子どもが生まれ、おそらく幼稚園に入るまでは、基本履き続けるシューズとなります。それなら、履いていてテンションの上がる靴、流行に左右されないカッコよさとおしゃれ感を出せる靴を買おう。
そう思うと、一つひとつはもちろん値が張りますが、どうでもいい靴をたくさん持っているより、場所もとらないし、長く履ける分長い目で見ると経済的だと思います。
あと気をつけたのが、フラットシューズで最近多い、トリ―バーチに代表されるような、くるんと丸まった、かかとが強いゴムで出来ているシューズは買わないということ。なぜなら、手を使わないと履けないから。
妊娠も後期になると、お腹が出っ張って、さっと履いて可愛く、さっと脱げて可愛いものじゃないと履きたくなくなってしまいます。よって履かなくなる…。赤ちゃんが生まれたら尚更両手は塞がっているから、靴を履くために手も使うシューズは非効率的。
という理由から、試着の際も、足だけで履けるかというのは最大のポイントとなりました。特に、サンダルなどで多いベルトを外して、また止めて、というようなひと手間もふた手間もかかってしまう靴は即却下。足がするんと入る靴を探し求める日々。
妊婦はどうしても太る。当たり前のこと。
そうすると、なぜか足と手の指が太くなる。妊娠後期には結婚指輪も入らず日々お留守番。眠っているときに足がつったり、こむら返りが起こったりということがない私でも、臨月にはかなり足がむくんでいます。このむくみをとるのに、ストレッチやらマッサージやらで1時間以上かかります。なのに、翌朝にはまたむくんでいるから悲しくなってしまう…。
だから、妊娠中のフラットシューズはサイズを選ぶのがかなり難しいです。
出産後も履くことをもちろん想定しているので、いつのタイミングで足にフィットしているものを買えばいいのか結構悩みの種。臨月の今では、妊娠初期~中期に買ったフェラガモのラバーシューズは日によって入らないこともあります。
そして、フラットシューズとヒールのウェッジソール(私はピンヒールを履かず、常に15センチ前後のウェッジソールを履いていた)では、足への負担のかかり方が全然違います。ハイヒールでは、やはり前に重心が来るのでサイズはピッタリの方が後々楽になるけれど、フラットシューズではべったりと地面に足がついているので、足がむくむと全体的に膨張するような感じになって、案外サイズは少し大きい方が楽だったりもします。もちろん脱げない程度にではありますが。
このように、妊婦になると選ぶおしゃれの方向が変わってきます、しかも劇的に。
そして、自分のおかれたタイミングに合わせたオシャレで楽しむ心を持てることが、大人の女性のオシャレの道につながっているように思います。